『服同士のあいさつ(洋服・衣服同士の会話・コミュニケーション)』(2025年5月11日 大嶋信之著)【スピリチュアル】

まえがき

この話は、私が高校生だった1993~95年頃にわたり、実際にあった話をもとに書いた、ちょっとスピリチュアルでファニーなお話です。ほぼ実話ですが、半分ファンタジーのつもりで読んでいただけると幸いです。笑


『服同士のあいさつ』

(文・イラスト/大嶋信之)

高校生になり、隣の中学校出身の、Hというおもしろい友人と知り合った。
Hが言うには、着ている服には意思があり、友達同士で会った際には、その人だけじゃなく着ている服同士も挨拶をしていると言うのだ。

服同士が、「おう!また会ったね。」とか、別れ際には「また会おう!」といった具合に、会話(コミュニケーション)していると言う。だから、不思議と前に会った時と同じ服になることや、お互いの服がかぶる(同じになる)ことが多いのだと。
私は、「何を馬鹿なことを言っているんだ?」と心の中で笑った。

別々の高校に通っていた私とHだったが、知り合ってからすぐに気が合い、その後、何度となく会う機会が増えていった。
すると不思議な事が起こり始めた。

私がボーダー柄の服を着ていると、Hもボーダー柄。
私がチェック柄の服を着ていると、Hもチェック柄。

気が付くと、そんなことが頻繁に起きていた。

おいおい、Hの言うことは本当なんじゃないか?
自分の気持ちとはうらはらに、そう思い始めた。

しかも、ボーダー柄で会った日の、次に会うときもお互いボーダー柄。

チェック柄で会った日の、次に会うときもお互いチェック柄。

気が付くと、そんなことが当たり前に日常になっていた。
もう、Hを疑う余地はなかった。

そんなある日、私たちは「なんなら、同じ服を買おうぜ!」となった。
寒くなった冬のある日、私たちはお揃いのダウンジャケットを買うことにした。
街に繰り出し、当時流行だった黒のロング丈のダウンジャケットを買うつもりだった。
しかし、売り場で「やっぱり、まったく同じはさすがに恥ずかしいよな。」となり、Hは予定通りロングダウンを、私は同じお店ですぐ隣に掛かっていた普通丈のダウンジャケットを購入することにした。
丈は違うものの、色もメーカーも同じだった。

私は心の中で、「Hの買ったロングダウン、やっぱり格好いいな。自分もロングが欲しかったけど、今回はまあいいや。」と思った。

その後、私たちは、何度となくそのほぼお揃いのダウンジャケットを着て、一緒に街を歩いた。
そのときに、私とHのダウンジャケット同士もコミュニケーションを取っていることは明白だった。

おう!また会おうね。」って、その頃にはダウンジャケット同士のあいさつが私にも聞こえていた。

おわり。

あとがき

Hはこの話だけでなく、様々なスピリチュアル話を持っていて(※)、不思議体験体質の私ととても馬が合った。Hと私は、大人になるまでしょっちゅう一緒にお酒を飲んだりして遊んだ。お互い家庭を持った今でもゆるく交流を続けている。
先日、私が出演したYouTube番組を観てくれてすぐに、「俺も不思議な体験をした!」と連絡をくれた。(→都内上空で知人が見たという青い龍のような光。
また、本ページをHに連絡すると、「めっちゃいいね!当時を思い出して鳥肌だよ!!」と読んだ感想を寄せてくれた。

(※Hのその他の話のひとつ→『植物同士のコミュニケーション』)


Home 作家活動(短編小説、絵本など) 『服同士のあいさつ(洋服・衣服同士の会話・コミュニケーション)』(2025年5月11日 大嶋信之著)【スピリチュアル】

Nobuyuki Oshima(大嶋 信之)
プロフィール

Email
info@nobart.com

Follow me

サイトインフォメーション

ページカテゴリー
ブログ(投稿記事)カテゴリー