▼ 基本用語
▼ 海を表す言葉
▼ 波を表す言葉
▼ 風を表す言葉
▼ サーフィンの技(テクニック)
▼ その他
▼ 番外
イラスト・説明文/大嶋信之(Nobuyuki Oshima)
基本用語
サーフボード
サーフィンするボードのこと。「板」とか「ボード」とも言う。
シェイパー
サーフボードを作る人をいう。フォームを削ってボード形状に作り上げる。削ることを「シェイプ」と呼ぶ。
レギュラー フッター[regular footer]
サーフボードに乗る時の態勢(スタンス)で、左足を前足に、右足を後ろ足にした姿勢のこと。レギュラースタンスとも言う。右利き同様、多数派の一般的なスタンス。
グーフィー フッター[goofy footer]
レギュラーフッターとは対照的に、右足を前足に、左足を後ろ足にした姿勢のこと。グーフィースタンスとも言う。左利きのように少数派のスタンス。
フロントサイド[front side]
波に対して、体の表面(お腹の面)を波に向けてライドすること。
バックサイド[back side]
フロントサイドとは対照的に、波に対して背を向けてライディングすること。「バックハンド」ともいう。
パドル[paddle]
前進するために、ボードの上でうつ伏せになり、水泳のクロールのように両手を使い水をかくことをいう。海面を移動する時や、波に乗るために加速する時、沖へ向かう時にパドルをします。
ゲッティングアウト[getting out]
岸側から、沖の波のブレイクポイント(割れる場所)に向かうこと。
ドルフィンスルー[dolphin through]
ゲッティングアウトする途中で、崩れてくる波をいくつも越えなければいけません。波の力で岸に押し戻されぬよう、波の手前でボードを蹴り込み、体とボードごと海中に潜り、波の力を受けにくい海中で波を通過すること。潜る様子が、イルカ(ドルフィン)に似ているからこの名がつきました。
波待ち
良い波が来るまで待つこと。また、サーフボードの上に座って待つ姿勢をさすこともある。
板(いた)
サーフボードのこと。
ノーズ[nose]
サーフボードの先端のこと。
テール[tail]
ノーズとは対照でサーフボードの後ろ部分。
レール[rail]
サーフボードのサイド縁部分。
コンケーブ
サーフボード裏面に設けられた縦のくぼみのこと。ボードがしっかり水面に吸い付きながら、水の流れがスムーズにいくように設けられていて、シェイパーのノウハウによって様々な形状がある。
海を表す言葉
アウト[out]
沖のこと。波が割れ出す前のうねりの状態である場所。
インサイド[inside]
アウトとは対照で、岸辺付近の浅瀬の場所のこと。
ミドルセッション[middle session]
アウトとインサイドのあいだの部分を表す。
流れ
海の横への流れを表す言葉。その日の風向きやうねりの向きなどで、海は流れが生じやすい。
カレント[current]
沖へ向かう流れを指す言葉。波のブレイクポイントの切れ間にあることが多く、波待ちしていたら、気づかぬままカレントに乗ってはるか沖合へ流されていた、なんて話も多い。また逆に、カレントをうまく利用しゲッティングアウトするサーファーも多い。
バックウォッシュ[back wash]
海岸に寄せた波が、岸辺に押し戻されて返り波となって、寄せる波にぶつかること。満潮時などの潮の動きが大きい時に起こりやすい。
サンドバー[sand bar]
海底のについた砂の山のこと。きれいな長い横線となって何本も波状に砂山が形成されるのが理想。サンドバーに影響されて波がブレイクするので、ビーチブレイクの海岸ではサンドバー次第で波の良し悪しが左右される。
ビーチブレイク[beach break]
海底が砂の海岸のこと。波は、海底の砂(サンドバー)に影響を受けてブレイクする。
リーフブレイク[reef break]
海底が岩の海岸のこと。波は、海底の岩(リーフ)の突起に影響を受けてブレイクする。日々変化するサンドバーに影響されるビーチブレイクとは異なり、年中安定したブレイクをみせる。ただ、潮の満ち引きに影響されやすい。
ショアブレイク[shore break]
波打ち際で割れる波のことをいう。スキムボードには向いているが、サーフィンには厳しい波。
ドン深(どんぶか)
海底の深さが、急に深くなっていること。海の荒れた日が続くと起こりやすく、再度砂が定着するまで時間がかかる場合が多い。サンドバーが形成されていないため、 深みでは波が割れにくく、インサイドの浅瀬で一気に割れるショアブレイクとなる。
波を表す言葉
ブレイク[break]
波が割れて崩れること。
ピーク[peak]
日本語では山の頂上を意味する。波のうねりの中でブレイクするポイントのことを指す言葉。ピークをうまく見つけて乗ることができれば、その波を最大限生かしたライディングができる。
ボトム[bottom]
波の斜面の下の底面部分のこと。
フェイス[face]
波の斜面の、傾斜面のこと。
ショルダー
波のトップの崩れ出す前の状態の部分。
リップ[rip]
波の頂上の崩れた瞬間の白波部分。
カール[curl]
波が割れて、巻いた状態で崩れている場所のこと。
チューブ[tube]
波が、カール状に巻きながら持続的に続いて割れていること。
スープ
割れ終わった波の白波部分のこと。
ショアブレイク[shore-break]
波が、沖で割れるのではなく、浅瀬の岸辺付近で割れること。
クローズ[close]
波が崩れ終わること。また、波が荒れていて、サーフィンできない状態を指す言葉。
フラット[flat]
ほとんど波が立っていない平らな海で、サーフィンできない状態を指す言葉。
ダンパー[damper]
波のうねりが一直線で、いっぺんに崩れてしまいう波のこと。サーフィンには適していない波。
切れた波
直線的な波のうねりが切れているところ。波が崩れ出すと、切れた部分はショルダーが張り、サーフィンには適した箇所。
三角波(さんかくなみ)
波のうねりがちょうど真ん中から崩れだす波のこと。レギュラーでもグーフィーでも乗れ、サーフィンに最適な波。ロングライドできることも多い。

レギュラー [regular]
サーファーから見て右(岸から見て左)方向へブレイクする波を言う。またその方向へサーファーが乗って進むことも言う。「ライト方向」とも言う。
グーフィー [goofy]
サーファーから見て左(岸から見て右)方向へブレイクする波を言う。またその方向へサーファーが乗って進むことも言う。「レフト方向」とも言う。
厚い波
波の斜面が穏やかでなかなか崩れない波のこと。また、崩れても斜面がゆるく、ゆっくり崩れる波のこと。
掘れた波
厚い波とは対照的に、波の斜面が急で、カールを巻いて崩れる波のこと。崩れるスピードが早く、ライディングにもスピードがでる波。
巻いた波
チューブになりそうな波。
面ツル(めんつる)
風がなく海面や波の斜面がつるつるの状態をいう。ライディング中、サーフボードへの水の抵抗が少なくスピードが出やすい。無風か弱いオフショア時に見られる。
セット[set]
波のまとまりのこと。海上沖合の台風や低気圧から生じた波は、何本かまとまったかたちで岸に押し寄せます。そのまとまりのことをセットと呼び、セットが来た後、次のセットが来るあいだの時間をセット間隔と呼びます。岸から沖合の低気圧や台風などへの距離が遠いほど、セット間隔が開きます。
お化けセット(おばけセット)
その日の波のサイズより、かなり大きい波のセットが突然来ること。そのセットが終わると、何もなかったように通常のサイズに戻るためお化けと呼ばれる。波は、数百~数千の波のうち、周りよりもサイズが大きい波が、ごくわずか含まれていると言われています。波の穏やかな日に、岸壁やテトラポットで投げ釣りを楽しむ釣り人が、突然来た大波にさらわれたなんて話も稀にありますが、これもお化けセットの仕業かもしれません。
風波(かぜなみ)
通常、波とは沖合の低気圧や台風によって生じる。低気圧や台風の直下では、風が強く大しけの状態であるため、その余波が波となって岸に押し寄せているのだ。風波とは、海上に低気圧や台風はなく、陸地側に低気圧や台風、気圧の谷などがあり、そこへ風が吹き込むために起きる波のこと。通常の波と違い、セットがなく荒れぎみの波で、風がなくなると、サイズがダウンするのが早い。
チョッピー
風波やオンショアが強く、波が荒れた状態を表す言葉。チョッピーコンディションともいう。サーフィンしにくい波。
チュービー[tubie]
チューブになりそうな波。「今日の波はチュービーだ」、「チュービーブレイク」などと使うことがある。
風を表す言葉
オフショア[off-shore]
波の方向とは反対の方向からの風(岸から沖へ吹く風)のこと。波の形が整う風。適度なオフショアは、サーフィンに最適。オフショアが強すぎるとテイクオフもしづらくなりサーフィンしにくくなる。また風に抑えられ、波のサイズもダウンする。
オンショア[on-shore]
オフショアとは反対で、波の方向と同じ方向に吹く風(沖から岸へ吹く風)のこと。波の形が崩れる風。オンショアが強くなると、風波で波のサイズはアップするが、波の形がぐちゃぐちゃになりサーフィンしにくくなる。
なぎ[凪(NAGI)]
風がなく穏やかな海のこと。無風状態。
サーフィンの技(テクニック)
テイクオフ[take off]
波に乗り出すこと。サーフィンではボードの上に立った瞬間を表す言葉。
![テイクオフ[take off]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/テイクオフ.jpg)
レイト テイクオフ[late take off]
日本語では遅めのテイクオフの意味。通常、乗る波が来ると、あらかじめパドルで加速しておき波のスピードに合わせてテイクオフするのに対し、乗る波が間近に来るまでパドルせずに波が来たらボードを垂直近くまで立てたうえで後ろに体重をかけてボードを沈め、浮力で戻る力と波の力を利用してボードを一気に加速させ波に乗ること。乗るポジショニングと波のタイミングさえ合えば、有効なテイクオフ方法。
ボトムターン[bottom turn]
波のボトム(斜面の底面)で、進行方向へターンすること。
![ボトムターン[Bottom turn]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/ボトムターン.jpg)
トップターン[top turn]
ボトムターンとは反対に、波のトップで進行方向へターンすること。
![トップターン[top turn]]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/トップターン.jpg)
オフザリップ[off the rip]
波のトップの割れだしたリップに、ボードを当て、波の力を借りてターンする(ボードを返す)こと。オフザトップともいう。深いボトムターンから一気に波のトップへ向かうのがオフザリップに対し、浅いターンで軽くリップに当てることをリッピングと言って区別することがある。
![オフザリップ[off the rip]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/オフザリップ.jpg)
リッピング[ripping]
オフザリップのこと。
カットバック[cut back]
ライディング途中に、波のブレイクポイントにターンして戻ること。厚い波の部分で行うテクニック。
![カットバック[cut back]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/カットバック.jpg)
ラウンドハウス カットバック[roundhouse cutback]
大きく長いターンのカットバックのこと。家の周りを回るように、大きくターンすることから。
スラッシュバック[slash back]
小さくカットバックするようなターン。カービングターンともいう。カットバックするほど厚くない波の箇所で行うテクニック。
![スラッシュバック[slash back]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/slashback-1.jpg)
ローラーコースター[roller coaster]
波の崩れ終わるカール部分に、ボードを当てて、波の崩れる力でボードを返す技。ロールインともいう。
![ローラーコースター[roller coaster]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/ローラーコースター.jpg)
フローター[floater]
波のリップがロール状に崩れている上を滑り進む技。またスピードに乗って白波の上を滑り進む技。波のブレイクを抜ける時や、崩れ終わるクローズドセッションで行うことが多い。
![フローター[floater]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/フローター.jpg)
テールスライド[tail slide]
オフザリップやローラーコースターなどの時に、波に当てたボードのテールを蹴り出し、ボードを進行方向とは逆向きに返してテールをスライドさせること。
レイバック[layback]
波側に体を倒しボードのテールを蹴り出す技。体の屈伸力と下半身のひねりで、力強くテールを蹴り出すことができる。倒れた体は、波の力で戻してもらう。
チューブイン[tube-in]
カールの巻いたブレイクが継続的に続き、そのカールの中に入ること。波の条件が合わなければできない技のため、できた時の満足感は大。
![チューブイン[tube-in]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/チューブイン.jpg)
エアリアル[airial]
波の斜面と崩れる力を使って、ボードごと空中へジャンプすること。略してエアーともいう。
グラブエア[Grab air]
ボードを手で掴みながらエアリアルを決めること。ボードが体から離れなず安定する。
ハングファイブ[hung five]
主にロングボードの技で、ボードのノーズに片足の指5本をひっかけた状態でライドすること。
![ハングファイブ[hung five]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/ハングファイブ-1.jpg)
ハングテン[hung ten]
主にロングボードの技で、ボードのノーズに両足の指10本をひっかけた状態でライドすること。難易度はハングファイブと比べ格段に高い。
![ハングテン[hung ten]-サーフィン用語](https://www.nobuyukioshima.com/wp/wp-content/uploads/2025/08/ハングテン-1.jpg)
プッシュ[push]
ボードに立った状態で、足を屈伸させボードを一瞬沈め、浮力で戻る力を利用してボードを加速させること。ホッピングともいう。厚めの波で失速しようなときや、技に入る手前で加速したい時に行います。
プルアウト[pull out]
ライディングを途中で終えること。波の上に登って越えてやめるか、波のフェイスに体とボードごと潜ってやめるか、プルアウトの方法も波にあわせます。悪い波に乗ってしまった時や、人にぶつかりそうになった時、前乗りなどのルール違反をしてしまった時に使います。
メイクする
技を決めることを言う。例えば、エアリアルを成功させたとに「エアーをメイクした」というように使われる。
その他
スプレー[spray]
カットバックやオフザリップなどの技を決めた際にでる水しぶきのこと。ライディングのスピードや技のパワーでスプレーの量も変わることから、試合での採点を決める要因になったりもします。
ワイプアウト[wipe out]
テイクオフ直後やライディング中にボードから落ちてしまうこと。
飲まれる、巻かれる、揉まれる
テイクオフを失敗して波に落ちたときや、ライディング中にボードから落ちたとき、ドルフィンを失敗して波に負けたときに、「波に飲まれた」、「波に巻かれた」、「波に揉まれた」などと言う。
スキムボード
サーフボードより小さくフィンのないフラットなボードで、岸から海に向かって走って飛び乗り、波打ち際で割れる波に乗るスポーツ。
番外
スナメリ(砂滑)
ネズミイルカ科スナメリ属に属する小型のイルカのこと。インドネシア、台湾、日本付近の太平洋沿岸に生息し、関東では千葉の銚子沖で野生のスナメリを見ることができるそうです。筆者の知人で、銚子に程近い北千葉エリアの飯岡付近でサーフィンしていたら、いきなり目の前にスナメリが現れて、まるで海坊主のようなだったと話していました。